遺言書を作成していたケースでの相続トラブル事例②

こんにちは、財産承継コンサルタント/行政書士の鉾立です。

今回は、「遺言を作成していたケースでの相続トラブル事例」をご紹介します。

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ご主人と一緒に長年飲食店を経営されてきたS.K様。

お二人の間には子供がいなかったため、万が一のときに備えて、ご夫婦で「すべての財産を妻(夫)に贈与する」と書かれた自筆証書遺言を作成され、自宅金庫に保管されていました。

お元気だったご主人でしたが、病気で体調を崩されて入院し、闘病生活の末、入院から3ヶ月後に相続が発生。

今後の手続きについてS.K様が取引先信用金庫に相談したところ、当事務所を紹介されました。

当事務所では、まず自筆証書遺言の検認手続きをサポートするために、亡くなったご主人の出生時から死亡までのすべての戸籍謄本と、すでに亡くなっていたご主人の兄妹2人の出生時から死亡までのすべての戸籍謄本、疎遠になっていた地方在住の甥姪4名の戸籍謄本の取得をサポート。

また、自筆証書遺言に遺言執行者が指定されていなかったため、今後の手続きを円滑に進めるために遺言執行者の選任申立て手続きをサポートしました。

ここまでに要した時間は4ヵ月。

当事務所が遺言執行者に就任後は、預貯金の解約・払戻し手続き、パートナー司法書士と連携して自宅の相続登記、パートナー税理士と連携して相続税の申告手続きまでをサポートさせていただきました。

自筆証書遺言が残されていなければ、甥姪たちとの遺産分割協議となり、もっと大変な手続きになっていたと思います。

その後、S.K様ご自身の遺言について、公正証書で作成し直すお手伝いをさせていただきました。

ちなみに、S.K様ご自身の推定相続人は、地方に住む甥姪7名になります。

 


 

今回の「遺言を作成していたケースでの相続トラブル事例」、いかがでしたか?

自筆証書遺言は、無いよりはあった方が全然良いと思います。

しかしながら、検認手続きが不要で、専門家が作成に関与する公正証書遺言であれば、もっとスムーズに相続手続きを行うことができた案件でした。

なお、自筆証書遺言の検認手続きが不要となる「法務局における遺言書の保管制度」を定めた新法、遺言書保管法の施行期日については、今後、政令で定められることになりますが、公布の日(平成30年7月13日)から2年以内に施行されることとなっています。

※追記 遺言書保管法の施行期日は、2020年(令和2年)7月10日(金)と定められました。

詳しくは、【財産承継ミニセミナー】相続法改正② 法務局における遺言書の保管等に関する法律についてをご参照ください。

 

以上、ご参考になさってみてください。

 


 

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