遺言書と生前贈与、どちらがいいの?②

こんにちは、財産承継コンサルタント/行政書士の鉾立です。

今回は、遺言の作成に関してよくいただく質問に、Q&A形式で回答します。

> プロフィールを読む

 


 

Q.
身寄りのない高齢の叔母が、自宅マンションを甥である私に譲りたいと言っています。

この場合、費用的には、遺言書を書いてもらうのがいいのでしょうか?

それとも、生前贈与してもらうのがいいのでしょうか?

 

A.
遺言も生前贈与も、どちらも財産の名義を変える方法となりますが、名義変更のコスト面を考えると、基本的に、遺言(相続)よりも生前贈与の方がコストが高くなります。

まず税金面ですが、生前贈与の際に課税される「贈与税」(暦年課税)は、「相続税」よりも税率が高く設定されています。

これは、相続税は亡くなった方の財産の価額に応じて課税されますが、亡くなる前に生前贈与をすると相続税の課税が少なくなるため、その補完として、贈与税の税率が高くなっているからです。

※ご参考 国税庁HP
贈与税の計算と税率(暦年課税)
相続税の税率

なお、甥姪への生前贈与の場合、相続時精算課税制度(贈与時は2,500万円まで贈与税が非課税で、相続時に相続税として精算する制度)は使えないので注意が必要です。(ただし、養子縁組をした子には適用があります。)

また、名義を変更する際に法務局に納める登録免許税についても、贈与による名義変更の場合は固定資産評価額の2%となっており、遺言(相続)による名義変更(固定資産評価額の0.4%)に比べてコストがかかります。

さらに、都道府県から課税される不動産取得税についても、贈与による名義変更の場合は課税がありますが(固定資産評価額の3%。ただし特例あり)、遺言(相続)により名義変更の場合は非課税となります。

その他の手続き費用としては、

遺言の場合は、
・公正証書遺言の場合は公証役場手数料
・必要に応じて専門家費用

生前贈与の場合は、
・必要に応じて専門家費用(税務申告費用、契約書作成費用等)

がかかりますので、別途見積もりをとるなどして、コストを比較してみると良いでしょう。

もっとも、これらのコスト面は、名義変更の方法を決定する際の判断材料の一つとなりますが、円滑な名義変更を実現するためには、他の相続人との関係や、相続税対策などを総合的に検討して判断するのが良いでしょう。

 

以上、ご参考になさってみてください。

 


 

『無料個別相談』のご案内

 

財産承継の問題、ご事情は、人それぞれだと思います。

当事務所当社)では、“専門家の知恵” と、お客様の目的・ご事情に即した “最適な手法” で、財産承継手続きをサポートしています。

このページだけではお伝えし切れていない情報も多くあると思います。
個別の疑問にお答えしていますので、どうぞお気軽にご相談ください。


また、メール相談と比べて、「面談」の方が相手に伝わる情報量が圧倒的に増えるものです。


当事務所の『無料個別相談』をご利用いただければ、きっと、今あなたが必要としている問題解決の方法を、効率的、かつ、具体的に知ることができます。

どうぞお気軽にご利用ください。

『無料個別相談』の詳細、
お申し込みはこちらから

 

生前贈与